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プロローグ「ミコナとナルフィーと冬音」

 

日本が世界に誇る電気とヲタクの街、秋葉原。
その中央部分に位置する中央通りを少し外れ、裏路地をちょっと入ったところにその店はある。
『ゲーム&アニメーション関連商品の販売とイベント関連への人材派遣の店』
店の名前が書いてある看板の上部にやや小さくそう書いてある。
…まったくもって何の店だか分からない。
だけど、一歩入ればそこには3人の女性スタッフの笑顔が待っている。
ネコミミで青髪な女の子。
ポニテールでメガネをかけた女性。
キツネの耳となぜか学生服の少女。
そんな3人が切り盛りする小さな、でも、どこか現代人が忘れてしまった暖かさがある店────それが「NapTime」なんです。


〜§〜

「うにゃぁ…。ねぇ〜、奥でテレビ見てちゃだめぇ〜?」
レジカウンターに座っていた青髪のネコミミの少女がこれでもかというくらいの大きなあくびをしながら不平を漏らした。
年齢は14歳だそうだが、顔にはまだ幼さが残り、とてもそうには見えない。
「ダメに決まってるじゃない。いい、ミコナ?
 あなたが奥でテレビを見ている間にお客さんが来たらどうするの?」
ミコナと呼ばれた少女の要望をやんわりと却下したのはキツネの耳を持ち
そして、なぜか学生服という出で立ちの少女だった。
ミコナがいるレジカウンターの横にもたれかかっている。
この少女はミコナよりも4歳年上で18歳だとのこと。
「ナルフィーは厳しすぎるんだよぉ。」
「そんなこと無いわよ。」
即答。
「……ねぇ、冬音さんも思うでしょ?絶対、ナルフィー厳しすぎるよねぇ?」
自分一人ではかなわないと思ったか、店の出口付近に立っている女性に応援を求めた。
「……」
“冬音さん”と呼ばれた女性はドア付近に立ったままピクリとも動こうとせず
しかも、問いかけに対し何の反応も示さなかった。
店内はこのミコナとナルフィーとその“冬音さん”と呼ばれた女性しかおらずショーウィンドウからは早春の柔らかな光が降り注ぎ、ゆっくりとした時間が流れるだけだった。
「冬音さんも何か言ってやって下さいよ。」
「…にゃにゃ?冬音さん?」
二人が呼ぶ。
しかし、相変わらず何の反応もない。
そのことを不審に思ったナルフィーは冬音に近づき肩をたたいて呼んだ。
「冬音さん?」
冬音さんは──────立ったまま寝ていた。器用なものである。
「冬音さんが寝ててどうするんですか!?」
窓ガラスを砕ける寸前まで振動させるほどの大声が店内にこだまする。 
刹那、冬音の身体がビクッと動く。
「…わっ。」
大きなあくびをしながら不平を漏らした。
そして(第三者からはとてもそうには見えないかもしれないが)驚きの声が彼女の口から漏れた。
この、ちょっと鈍そうで立ったまま居眠りが出来るという秘技を持ち、ポニーテールでメガネをかけた、今このフロアーにいる者の中で唯一人間の女性である彼女こそがミコナやナルフィーの直接の上司に当たる月風冬音・現場総主任だ。ちなみに歳は24。
「ナルフィーちゃん…大きな声を出さないでよ…。」
「何をいってるんです!上に立つ人間がそれでどうするんですか!?」
この光景を見る限りではどちらが上司で部下なのか全く分からない。
もっとも、冬音の頭の中ではミコナやナルフィーのことを部下とは認識せず、あくまでも『対等な関係』という感覚なのだろう。
そのため彼女が立場上、物事を仕切ることはあっても、ミコナやナルフィーに対して「やれッ!」と厳しくいうような『命令・指示』は出したことが殆ど無く
「やってね。」のような柔らかい物腰で、端から聞けば単なる『御願い』なんじゃないのかと疑いたくなるような物だった。
「ふぁぁ…あんまりにも日差しが心地良いからちょっと寝てただけよ。」
「それが問題なんですよ…。」
ナルフィーは呆れ顔で返答するだけだった。
「お客様が来ればちゃんと起きるわよ。で、何の用?」
『う〜ん』とのびをしながら問う。
「えっと…。」
「ナルフィーって厳しすぎるよね?」
ナルフィーが口ごもっているあいだに、いつの間にかミコナが冬音の横に駆け寄り訊いていた。
「う〜ん……一概には言えないけど、やっぱりちょっと厳しいかしらね。仕事熱心なのはいいけど。」
「ほら、聞いた?やっぱりナルフィーは厳しすぎるんだよ。」
上司を味方に付けたミコナはここぞとばかりにナルフィーに言った。
「ふぅ…もう、好きに言って。」
ナルフィーは肩をすくめて言うだけだった。 


〜§〜


「にしても、お客様がこないわね…」
床を箒で掃いていた冬音がふと漏らした。
「仕方ないですよ、冬音さん。場所が場所ですから。」
それに対し、棚の上の商品を整理していたナルフィーが半ば諦め顔で答えた。
「にゃぁ〜…お客さんが来ないと、ミコナは退屈で死んじゃうにゃ〜。」
『暇ですからマジでどうにかして下さいオーラ(仮称)』を放ちながら
レジカウンターに突っ伏していたミコナがその後に続く。

「ところで冬音さん、一つ思うことがあるんですが…。」
「ん?ナルフィーちゃん、どうぞ。」
突然、ナルフィーが提案を出そうとする。冬音がその提案内容を言うように促す。
こんな感じでNapTimeのミーティングは事前連絡なしで唐突に始まる。
スタッフが3人しかおらず、その3人が常に1カ所に集まっているからこそなせる技だ。
「この店の内装と扱ってる商品が全くあってないと思うのですが。」
「確かにあたしもそう思うよ。だって…骨董品屋のような内装でこれじゃ入るお客さんもとまどうんじゃない?」
提案に肯定する形でミコナも言った。
「はぁ…そうは言ってもなねぇ。」
冬音がどうしようもないといった感じでため息混じりの返答をよこした。

この店は築35年の純和風木造家屋を買い取って修繕し、店舗として使っている。
買い取った当初は平屋だったのだが後に倉庫などが必要になり店の裏手の空き地部分を買い取って倉庫と住居部分を増築した。
ちなみにミコナやナルフィーがこの店で働くようになる前の話である。
増築した部分は2階建てで1階部分が倉庫と事務所を兼ねた休憩室。
2階部分が風呂・トイレ・台所などがついた住居部分となっている。
彼女たち3人はそこで生活している。
「今、わたしたちが住んでる部分は増築したんですよね。じゃ、その時に一緒に内装もやればよかったのに…」
「にゃはは〜、まさかお金がなくてそこまで手が回らなかったとかって理由だったりして。」
ぎくっ!
ナルフィーの質問に冗談交じりで答えたミコナの言葉を聞いた瞬間、冬音の身体がすくみ上がる。
「ミコナ、いくら何でもそれはないでしょ。わたしたちが住んでる部分あんなに立派なのよ。だったら店舗部分に回すお金だってあったと思わない?」
「うにゃ〜言われてみればそうだけど…。」
「あの…じつは……。」
「冬音さん?」/「冬音さん?」
「実はミコナちゃんの言うとおりなの。」
衝撃の告白を聞いた二人はしばらくの間、固まった。
そして同時に叫ぶ。
「「嘘ぉッ!?」」
「嘘じゃないのよ。元々この店はこの店舗部分しかなくて在庫を保管するスペースがなくて不便だから、この店の裏手の空き地を買い取って居住部分と倉庫を造ったのよ。そしたら、今までの利益と営業資金がいっぺんに飛んじゃってね。」
「………」
冬音の話を聞いた二人は黙ってしまった。
先のその沈黙を破ったのはナルフィーだった。
「で…でも、居住部分をもう少し、その、貧相っていうか安く作れば…。」
「あ…アレは……私が店長にお願いして、そうしてもらったのよ。」
「にゃ!?…この店って店長がいたんですかにゃ!??」
突然ミコナが叫び声を上げた。
「そりゃ、ミコナ。店長いなかったら誰がこの店の責任者は誰になるのよ?」
「にゃにゃ?冬音さんじゃないの??」
「私は現場総主任で、いわばあなた達の監督みたいなモノだから…。」
冬音が答えた。
ミコナは『今まで知らなかったー』とでも言わんばかりの顔だ。
ナルフィーは今日、もう何回目だか分からない呆れ顔でミコナに言った。
「はぁ…呆れた。あなた、この店でもう、かなり働いているのに気がつかなかったの?」
「だって…会ったことないもん。」
「…そうやって改めて言われると、わたしもこの店でやっぱり結構、働いてるけど店長を見たことはないわね。
 冬音さん、店長ってどんな方なんですか?」
「え?どんなって…」
冬音は突然話をふられて心底困った顔をした。
なんて答えようか迷っている間にも二人の質問は嵐のように届く。
「店長さんの名前は?」
「店長はお幾つくらいなんですか?」
「男の人?女の人?」
「容姿は?」
「何処に住んでるの?」
…等々etc.
短時間に数多くの質問を浴びせられた冬音はパニック状態になりつつも二人を落ち着かせてそれらの質問に順番に答えた。
「二人とも落ち着いて。まず、名前は確か雨陽(うよう)さん。
 年齢は聞いていないけど私より少し年上くらいかしら…」
「男の人?女の人?」
ミコナがレジカウンターを乗り越えんばかりの勢いで冬音に訊いた。
「ちょっと、危ないからそんなに身を乗り出さないで。で、えっと性別は………」
「性別は?」
期待と不安のまなざしで二人はその答えが出るのを待った。
「どっちなんでしょう?」
二人は盛大にコケた。
ミコナはそのままレジカウンターから落っこち、
ナルフィーに至ってはコケるだけでなく床板に頭が刺さっている。

数十秒後、突き刺さった頭を自力でどうにか引き抜くとナルフィーは冬音に言った。
「どっちなんでしょうって…会ったことあるんですよね?」
「冗談よ。雨陽さんは男性の方よ。」
冬音が肩をすくめて答える。
「でも、初対面であの人の外見や声の高さじゃ判断できたら凄いわよ。まぁ、服でも脱がせて確認すればすぐだけどね…」
冬音は偶にとんでもないことを言う。
「いくら何でもそれはマズイよ、冬音さん。同じ性別の人なら良いけど、異性の人だったら大変だよ。」
さすがのミコナもそういう確認法はマズイと思ったか、冬音の意見を否定した。
「いや、同性でもわたしはマズイと思うよ…」
ナルフィーが付け加えてさりげなくツッコむ。
「で、住所と電話番号ね。住所と電話番号は私は知らないわ。知ってるのはメールアドレスだけ。この店の売り上げ報告とかは全部、電子メールで送っちゃってるから。」
「そうなんですか…」
冬音の解答に心底がっかりした様子でミコナはうつむいた。
「ところで、結局のところ、この店の今現在の責任者って誰なんですか?」
ふと、ナルフィーが思い出したように言う。
「多分、私だと思うわよ。6年前の話になるけど、前の現場総主任が寿辞職したときに、店長さんがいらして『僕がいない間のこのお店は全て月風さんにお任せしますから、何かあったら連絡して下さい。』と、自分のメールアドレスだけを私に持たせながら言ってたから。」
目を細めて懐かしむように言う。
「でも、それじゃ、結局は冬音さんが店長ということになるんじゃないの?」
今度はミコナが訊いた。
「仕事内容はそうかも知れないけど、重要なことに対する最終的な決定権は私にはないのよ。だから、私は店長じゃないってわけ。」
「うにゃぁ〜。」
ミコナは納得したようなしていないような曖昧な返事をした。
「さて、店長さんのお話とかはこれでお終い。このお店も今日は、あと1時間で閉店だから残りの時間頑張りましょ。」
冬音が話題を切り上げて閉店時間までしっかり働くよう促した。


〜§〜


午後7時30分──
閉店後、1階事務所部分ではミコナとナルフィーが残業をしていた。
「ナルフィー、お客さん来てないのに売上伝票書く必要あるの?」
「一応、書いておかないとマズイでしょ?」
「うにゃぁ…」
シャープペンのノック部分で頭をポリポリとかくとミコナは売上伝票のあらゆるところに、ひたすら“0”を記入していった。
そして、その記入の終わった伝票をパソコンのモニターとにらめっこをしていたナルフィーに渡す。
「書き終わったよ。」
「ん、ご苦労様。」
「…何打ち込んでるの?」
パソコンのモニターを横から覗き込んで訊いた。
「今月の今日までの売り上げと支出。」
「何か、ワケの分からない数字ばかりだよ。」
「はぁ…じゃ、こうすれば分かる?」
そう言うと、表計算画面からグラフ画面へと切り替える。
「いつも、赤い線の方が上にあるね。」
「上の赤い線は支出、下の黒い線は売り上げ。」
「…それって、赤字?」
「そういうこと。このままだと、来月分の仕入れを少し押さえるしかないわね。」
「今月はイベントのお手伝いとかないのかにゃ?」
「今のところ、予定は入ってないわ。」
「そうなんだ…」
「さ、じゃ夕飯食べに上に行きましょ。」
「今日の当番は冬音さんだよね。献立なんだろ〜。」
1日の家事は日替わりの当番制となっており、今日は冬音の番だった。
「さぁ?でも、昨日よりは良いものが食べられるわよ。」
そう言うと意味ありげな微笑を浮かべる。
「き…昨日のあれは偶々にゃ!」
「偶々で炭にされちゃった鮎は可哀想ね。」
「にゃ…にゃぁぁ〜〜。」
そう、昨日の当番は何を隠そうミコナ。
で、昨日の夕食に塩焼きの鮎を出そうと魚焼きグリルに鮎を3匹入れたはいいが、みそ汁の調理に気を取られ、ひっくり返すことはおろか鮎を焼いていることすら忘れてしまい、気がついたときには真っ黒で炭状態となっていたのである。
「昨晩はみそ汁かけご飯だったからね。今日はまともなおかず付きのが食べたいわ。」
「あんな失敗は年に数回だけだよ。」
「ど〜だか。」
言いつつ、ナルフィーは打ち込んだデータを店のデータベースに保存してパソコンの電源を切った。
「ホントだってば。」
「はいはい、分かったから上に食べに行きましょ。」
「にゃぅぅ…」
ナルフィーは、まだ何か言いたげなミコナの襟首をつかむと、そのままダイニングキッチンのある2階へと続く階段を登りはじめた。


〜§〜


テーブルの上には既に完成したおかずと人数分のご飯・みそ汁が並べられており冬音はイスにもたれかかった状態で座っていた。
「冬音さ〜ん、今日のおかずは何〜?」
ドアを開け勢いよく入ってきたミコナが開口一番にそう叫んだ。
後ろからはナルフィーがついてきている。
「唐揚げよ。二人とも遅かったわね。」
「すいません。伝票整理に手間取ってしまって。」
「まぁ、いいわ。とりあえずいただきましょう。席について。」
冬音に促されるように二人は席に着いた。
その刹那、場の空気は一転した。
三人とも無言になり、相手の様子を伺っている。
所謂、緊張感の張りつめたような空気といのはこういう物だろうか。
と、冬音は意を決したか一言、こう叫んだ。
「レディーファイトッ!!!」
その合図を聞いた瞬間、三人の右手に箸が構えられ数舜後には、今日のおかずである「若鶏の唐揚げ」が盛りつけられた皿の上で
壮絶な「おかず争奪戦」が繰り広げられた。
「出遅れた!」
ナルフィーが叫ぶ。
「今の隙に下から唐揚げゲットにゃ!!」
ミコナも叫んだ。
「2人とも、まだまだ甘いわ。」
冬音は言うと同時に、13個あった唐揚げのうち6個を素早く1回で掴む
…というより2本の箸で串刺しにすると、自分の茶碗の上に持っていった。
「「!!!」」

ここまで書けば、もう、お分かりかもしれないがNapTimeでは毎晩、基本的にこのような「おかず争奪戦」が繰り広げられる。
故に挨拶は「いただきます」ではなく「レディーファイト」なのだ。
この勝負、かけ声を掛けられた瞬間にどれだけ素早く反応できるか正にナノセカント単位の反応速度が鍵を握っている。

結局、勝負結果は冬音が唐揚げ6個、ミコナが4個、そして、出遅れたナルフィーは3個しか取れなかった。
「ふふふ…二人ともまだまだ修行が足りないわね。」
余裕の表情で冬音が言った。
「そりゃ、冬音さんは昔から慣れているから余裕かもしないけどあたしは、まだココに来て2年くらいしかたってないんだよ。」
「わたしだって2年くらいしかたってないわ!冬音さん、もう少し手加減するか人数分のおかずを用意して下さい。」
ミコナとナルフィーが不満を漏らす。
「これは伝統だから止めるわけにはいかないわ。それに、これでも手加減しているのよ。本気を出せば、全部持っていけたし、あなた達のご飯やみそ汁まで入手できてたわよ。」
「…」
「…」
冬音の返答に二人とも声があがらなかった。

──食後。
基本的に食後は自由時間である。
就寝時間まで、だいぶ間があり、この間は3人で当たり障りのない雑談をしたりテレビを見たり、風呂に入ったり、雑誌・新聞を読んだりと思い思いの事をして過ごす。
「お風呂、空いたわよ。」
パジャマ姿で髪をバスタオルで拭きながら現れたナルフィーがオセロに取り組む2人組に言った。
「ちょっと待って、ナルフィー。後少しで終わるから。」
オセロ版の上では黒と白のコマがほぼ同じ数だけ並んでいた。
そして空いた2ヶ所のマスを難しい顔で見つめる冬音。
「むぅ…」
「ほら、冬音さん。早くぅ。」
「ん〜…じゃ、ココでいいわ。」
ミコナに促された冬音が諦めてコマを置く。
「やったぁ!角取り〜!!」
その直後にミコナが角に自分のコマを置いた。
見る見るうちにミコナの手玉の色にオセロ版は染まっていく。
「だからそこに入れたくなかったのよ。オセロはパスが出来ないのがつらいわ。」
「文句言わないの。よし、これであたしの勝ちだね。」
結局、最後のミコナの一手が決め手となり、冬音の負けが決まった。
「ん〜。じゃ、どっちが先にお風呂行く?」
ミコナが冬音の方に向いて訊いた。
「私は寝る前に入るから先に入って来ちゃっていいわよ。」
オセロを片づけながら冬音が返事をした。
「じゃ、あたしが先に入らせてもらうね〜。」
そう言うとミコナは既に持ってきていたバスタオルとパジャマを持って風呂場に向かった。
「それじゃ、わたしは今日はもう寝かせてもらいます。」
それを横目で見送ったナルフィーは冬音に就寝することを告げた。
「あら、もう寝るの?お休みなさい。」
「はい、お休みなさい。」
ナルフィーは就寝の挨拶を冬音にすると自室へと戻っていった。


〜§〜


──午前1時20分。
既にミコナとナルフィーは自室で明日のために眠っている。
最後に冬音が戸締まりと火の元のチェックのため懐中電灯を片手に見回る。
「ふぅ、異常なし──と。」
全てチェックし終えると、そのまま自室へと向った。

「明日は7時くらいに起きれば間に合うかな…」
そう独語して冬音は目覚ましをセットする冬音。
そしてセットした目覚ましをベットの傍らにあるテーブルに置き布団に潜り込んだ。
「おやすみなさい…今日も良い夢が見られますように……」

こうしてNapTimeの1日は過ぎてゆく───